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  就業規則作成・届出

 ◆就業規則作成及び届出の義務(労働基準法第89条)
  常時10人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について
  就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項
  を変更した場合においても、同様とする。

  1.始業及び終業の時刻休憩時間休日休暇並びに労働者を2組
    以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する
    事項
  2.賃金臨時の賃金等を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算
    及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する
    事項
  3.退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

  3の2.退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、
    退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に
    関する事項
  4.臨時の賃金等(退職手当を除く。)及び最低賃金額の定めをする場合に
    おいては、これに関する事項
  5.労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合に
    おいては、これに関する事項
  6.安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項
  7.職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項
  8.災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、
    これに関する事項
  9.表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する
    事項
  10.前各号に掲げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適用
     される定めをする場合においては、これに関する事項



 ◆就業規則に記載する内容
  ・絶対的必要記載事項(上記1.〜3.)
   必ず取り決めをし、就業規則に記載することが義務づけられているもの
  ・相対的必要記載事項(上記3の2.〜10.まで)
   取り決めがあるのであれば記載しておかないと法律上効力を生じないもの
  ・任意的記載事項
   取り決めについて記載するかどうか当事者の任意によるもの

 ◆派遣労働者と就業規則(昭和61.6.6基発333号)
  就業規則の作成義務を負うのは、派遣中の労働者とそれ以外の労働者と
  合わせて、常時10人以上の労働者を使用している派遣元の使用者である。

 ◆旅費に関する事項(昭和25.1.20基収3751号)
  旅費に関する事項は、就業規則の絶対的記載事項ではないから、就業規則
  中に、旅費に関する定めをしなくても差し支えないが、旅費に関する一般的
  規定を作る場合には、就業規則の中に規定しなければならない。

 ◆必要的記載事項の一部を欠く就業規則の効力
   (昭和25.2.20基収276号)
  絶対的必要記載事項の一部、又は相対的必要記載事項を記載しない就業
  規則も有効であるが、使用者は、法89条違反である。

 ◆育児休業の就業規則への記載(平成11.3.31基発168号)
  育児休業、介護休業法による育児休業・介護休業についても休暇に含ま
  れると解されるので、育児休業の付与要件・手続・期間等について就業規則
  に定める必要がある。

 ◆一部の労働者に適用される別個の就業規則(昭和63.3.14基発150号)
  同一事業場において、法3条(均等待遇)に反しない限りにおいて、一部の
  労働者についてのみ適用される別個の就業規則を作成することは差し支え
  ないが、この場合は、就業規則の本則において当該別個の就業規則の
  適用の対象となる労働者に係る適用除外規定及び委任規定を設けることが
  望ましい。
  なお、別個の就業規則を定めた場合には、当該2以上の就業規則を合した
  ものが、法89条の就業規則となるのであって、それぞれ単独に同条に規定
  する就業規則となるものではない。

 ◆時間単位年次有給休暇と就業規則(平成21.5.29基発0529001号)
  労使協定の締結によって時間単位年次有給休暇を実施する場合には、
  「休暇」として時間単位年休に関する事項を就業規則に記載する必要がある
  こと。


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